土用の丑の日
- 一年に4回もある「土用」
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土用は陰陽五行説による四季の移り変わりを表す節目の一つで、もともとは土旺用事といっていたものが、土用と略されるようになりました。
各季節の末(すなわち立春、立夏、立秋、立冬の前)の18~19日間が土用であるため、一年に4回あるのです。
土用は季節が移り変わるのを円滑にするという意味もあるといわれています。 - 「丑の日」とは十二支のこと
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「今年は子年」というように、十二支「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」は、かつては日常的に日付や時刻、方角にも用いられていました。ですから「今日は丑の日」という日が12日に1回やってきます。したがって、年によっては土用の18~19日間の期間中に、丑の日が2回ある年もあります。そんな夏は鰻を2回食べられますね。
- 幕末に確立された鰻を食べる「土用の丑」
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夏の土用の丑に鰻を食べる習慣を流行らせたのは、江戸時代幕末の万能学者として著名な平賀源内であったといわれていますが、一説によると、武士でありながら狂歌人として有名な大田蜀山人であったともいわれています。
とにかく、暑さの厳しいこの時期、昔から「精の付くもの」を食べる習慣があり、栄養価の高い鰻を食べることは、理にかなった夏バテ対策です。 - 「丑の日」は、「う」の付くものを食べる風習
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語呂合わせの好きな日本人ですから、「丑の日」には、頭に「う」の付くものを食べると病気にかからない、夏負けしない、という風習が地方によってありました。「う」ですから牛を食べるのがもっともでしょうが、貴重な牛でしかも肉食が表立ってできない時代。うどん、瓜、梅干し、うさぎなどのほか、「鰻」もそれに合う食べ物として食されていました。